北海道は何故建設コストがやすいのか?

『北海道は何故建設コストがやすいのか?』
北海道の建設コストは、他の都道府県と比べて建設坪単価は安くできます。それには次の5つの要因があります。
①労働賃金の差
全国から比べると北国ほど労働賃金が低く、北海道の労働賃金は決して高い方ではありません。よって常庸(1日8時間働いての労賃)単価も安くなる傾向です。簡単に言うと、1時間の単価が1,000円で、8時間働いて8,000円の北海道の労賃に比べて、東京では1時間1,5000円の単価で8時間で12,000円で一日4,000円も違ってしまいます。

②建設条件による要因
敷地の広さや前面道路の広さや、敷地内の空地の大小の差が大きくかかわっています。地価の高い東京では、建蔽率及び容積率を最大限な設計を行いますので、敷地の空地も無くなります。ですからクレーンを設置するスペースが無かったり、前面道路が狭くて、大型車両が入れない場合が有りますので、マンパワーによる手運びや手荷揚げをせざる得ない場合もあります。また南の地域に行くほど、気温が高く、湿度も高いので、職人も暑さにより体力の消耗や熱中症を起こす場合もありますので、長時間労働や残業は極端に嫌います。
これらの要因によって、工期にも影響を及ぼします。例えば、地上4階建てのマンションの場合、4層分+2ケ月で6か月くらいが適正工期ではありますが、施工条件の悪い地域では、工期が通常より長くなりますので、その工期の差が現場管理費に跳ね返ってきてしまいます。アパート1棟で、現場監督が1人の場合、2ヶ月の差は現場経費で、160万円以上も請負金額が違ってしまうのです。

③雪国特有の労働条件
北海道の建設は、11月中旬から雪が降り始めますので、雪が降る前には、コンクリート工事を終わらせなければならないという、使命感的な工期設定を行います。(最近のアパートは通年で施工をしておりますが)よって、11月までという明確な目標設定が有りますので、どの職種も多少の残業をいとわず施工をやっていきますので、工期が縮む傾向になります。

④職人気質
北海道の職人は冬期間東京に行って出稼ぎを行います。東京のゼネコンは非常に喜びます。その理由としては、職人技を兼ね備えているのはもちろんですが、勤勉さで、与えられた工程を守る事です。工程内に成果品を完成させるというプライドが高く、残業も苦にならず仕事をする勤勉さが有ります。

⑤物価の安さ。
東京に比べると北海道は物価が安く、それに比例して給料の違いも大きな要因です。㎡単価やt単価など材料費は全国同一かもしれませんが、工賃に違いが出てしまうのです。

①~⑤までを上げましたが、職人不足は深刻で、同時に技術の承継もスムーズに進んでおりません。マンパワーや体力勝負による仕事を嫌う傾向の昨今の建設業界です。

1日8時間働いて、15,000円の賃金で喜んでいた時代は既になく、20,000円と募集しても集まらない職種も出始めているこの頃です。
北海道だから建設コストが安くできる時代は徐々に消えていくかと思います。

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