『過酷な気象に耐える外壁。』

7月に入り、日本列島は、西日本を中心に猛烈な暑さが続いており、体温を超える40℃に迫る地点もあり、熱中症による緊急搬送や死亡も起きております。

同時に、今まで聞いたことの無い、『命に危険を及ぼすほどの猛暑』というワードもニュースで頻繁に流れている昨今であります。

私は、札幌にて、現場施工管理に携わった30年前には台風も年に1回もしくは2回ほどで、お盆前後の1週間ほどが酷暑、残暑だったような記憶で、マンション建設や学校建築、病院建設にも携わったが、クーラーの設置は皆無でありました。

しかし、昨今の賃貸マンションにはクーラーは必需品になり、日本列島は猛暑、長雨など気候変動と地震の多発で地殻変動が変化している事を、誰しもが実感し始めていると思います。

このような過酷な気候・気象条件に耐えている人間も悲鳴を上げているのと同時に、建物も人間が得る以上に悲鳴を上げて、過酷な条件に耐えております。

外壁材の色彩にもよりますが、南面の直射日光を受けるコンクリート壁は夏場は+60℃から時には100℃を超える場合も有り、冬期には―20℃にもなります。
このような過酷な状況下で、コンクリートは365日耐えているのです。

よって、1年を通してコンクリートは温度変化で同時に伸縮を繰り返しておりますので、開口部の廻り、構造的に弱い部分などにクラックが入り、クラックから水が浸み込み融結凍害を繰り返し、外壁は劣化し始めます。
このように外的な影響を受けやすいコンクリートにタイルを貼りますので、外壁のコンクリートとタイルの劣化はある程度は許容しなければなりません。

外壁タイルの浮き、落下の原因は、上記に記載した環境的要因である外壁表面にあるタイルが日射などで熱膨張しその下地のモルタルやコンクリートとの差異によって界面にずれが発生しタイルが浮く場合などの気候条件による要因。

地震による揺れなど建設後の外的な要因。

施工によるモルタルの塗り付けの不良、タイルの張り付け時の張付モルタルの圧着不足、施工時期の温度環境(零下・採暖養生)などによる不良施工による要因があります。

先月の大阪で発生した地震によるブロック塀の倒壊により、小学生が死亡した事故後に、国交省は全国の学校・幼稚園・保育園に調査と調査報告を義務付けをして、再発を防いでおります。

アパート・マンションの外装をタイル貼りを所有してるアパートオーナーはタイルの落下による死亡事故を発生させないためにも、今一度専門家に外壁の簡易診断をしてもら事をお勧めします。

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